デジタル一眼カメラには、さまざまな大きさの撮像センサーが使われていますが、この撮像センサーとはフィルムカメラのフィルムにあたる部分です。
フィルムは一度光を受けて記録すると終わりですが、撮像センサーは光の強弱を電気的な強弱に変換して記録するために何度でも使えます。
撮像センサーの大きさの違い
フルサイズセンサー(36㎜×24㎜)
デジタル一眼カメラの中でも、ミドルクラスからハイエンドモデルの多くに搭載されているセンサーのです。基本的にセンサーサイズが大きくなると製造コストが上がる為、フルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼カメラの値段は高くなります。
最近ではキャノンEOS 5Dsの5060万画素数のフルサイズセンサーや、ニコン D810の3700万画素数のフルサイズセンサーが登場しています。
フルサイズセンサーは、フィルムカメラのフィルムサイズである縦幅35㎜からきています。
フルサイズセンサーの特徴は、同じ画素数で比較するとAPS-Cサイズや他の小さなセンサーよりも大きな受光素子を持つために、暗闇でもしっかり光を受け取れる特徴があります。
また、背景のボケ量が大きく、幅広の写真が撮れます。
ただし、センサーサイズが大きいためシャッター機構などのメカニズムも大きく作らなければならず、結果カメラボディが大きくなる傾向があります。
APS-Cセンサー(23.5㎜×15.6㎜)
初心者向けのエントリーモデルから、中上級モデルまで幅広く使われているセンサーサイズです。ここ数年で、撮像素子の高画素数化が進み、最近ですと格メーカーで2400万画素数以上のセンサーが標準的になってきています。
フルサイズに比べると撮像センサーの受光面積が半分以下になってしまうので、暗闇には多少弱くなります。
どうしても撮像センサーの幅が狭いのでフルサイズほど広範囲な撮影は出来ません。
センサーサイズが小さいのでカメラボディを小さくでき、さらにAPS-Cセンサー用の小さめのレンズを安く製造できるメリットがあります。
マイクロフォーサーズサイズ(17.3㎜×13㎜)
オリンパスとパナソニックのデジタル一眼に使われているセンサーサイズです。
両メーカーのエントリーモデルからハイエンドモデルまでにまで搭載されているセンサーで定評があります。最近のモデルですと撮像センサーは1700万画素数程度あります。
フルサイズに比べるとどうしても撮像センサーの面積が四分の一程度になってしまうために、ボケ量や暗闇での性能は劣りますが、カメラボディとレンズを小さく作れるので手軽に持ち運べるメリットがあります。
Nikon1サイズ(13.2㎜×8.8㎜)
ニコンのnikon1にのみ使われているセンサーサイズです。ニコンではCXフォーマットと呼ばれています。
センサーサイズはフルサイズの八分の一程度まで小さくなりますが、最近のnikon1 J5では高画素数化が進み2081万画素数あります。
ここまでセンサーサイズが小さくなると、カメラボディの相当小さく作れるため、nikon1は格安コンパクトデジタルカメラとほとんど変わらない大きさになります。
またフルサイズ・APS-Cセンサーに比べると、f値の小さな明るいレンズを使ってももなかなか背景はボケにくくなります。
1/2.3型センサーサイズ(6.2㎜×4.6㎜)
レンズ交換式ではないコンパクトデジタルカメラに使われているセンサーサイズです。
以前はもう少し小さなサイズだったんですが、最近の高画素数化に伴い少しばかりですがセンサーサイズが大きく進化したようです。
レンズ交換式のデジタル一眼カメラにはほとんど使われていません。
まとめ
最近のデジタル一眼カメラに多く使われている代表的な5つの撮像センサーをまとめてみました。
最近では撮像素子の高画素数化が進んでいるため、スマホカメラでも2000万画素数オーバーなんて物も登場していますが、それでも画素数だけでは写真の良し悪しは語れないのが、カメラの面白いところです。
もちろんこの5種類のセンサーサイズの中ではフルサイズセンサーが一番高性能なんですが、写真は機材の性能だけで撮影するものではないので、撮影慣れした上手な人が使えばどのセンサーサイズでも目を引く写真を撮れますし、その逆に初心者がフルサイズセンサーを搭載した高級カメラを使ってもそれなりのものしか撮影できなかったりします。
ただし、撮像センサーの性能は大きさに比例するので、ボケ量が欲しい、横幅いっぱいに風景を撮影したい、暗闇でもノイズを少なく撮影したい等の目的があるのなら、最初から大きなセンサーサイズを選ばないとダメかもしれません。